Re:Anth

(お手入れ)春に株を外に出したら寒さにやられた

アンスリウム

知人から預かった株について初めは葉焼けを疑ったのですが、後で夜の寒さが原因で低温障害を起こしてしまっていたという話です。
最近お手入れ関係の記事が続きますが、結構参考にしていただける内容だと思います。

①強光による葉焼けと思っていたら、寒さの症状が出てきた

先日(5月下旬くらい)、知人からアンスリウムを預かってきました(写真の左側)。
預かった当初、株は全体的に黄色くなっていました。
時期的に、初めは『随分と葉焼けさせたもんだな』と思っていました。
根も元気だったので鉢上げセットで鉢上げをし、しばらく様子見をすることにしました。
ところが鉢上げ後みるみるうちに葉の黄変が進んでいき、葉が次々と茎まで黄色くなって枯れ落ちていきました。

通常葉焼けというのは、強い光が当たっている時だけに進行します。
言い換えると、強い光から遠ざけてあげれば葉焼けの進行は止まります。
葉焼けが原因で、次々と葉が枯れ落ちるということは
ところがこの株は、黄色くなった葉がどんどん枯れ落ちていくんですね。
前回の記事でも書きましたが、鉢上げ後に株の調子が狂う場合は過去に何かあった場合が多いです。
知人に確認をとったところ、しばらく外に出しっぱなしにしていたようです。
春は日中は暖かいのですが、夜になると肌寒い日もまだまだあります。
「ずっと部屋の中だったので良かれと思って外に出した」と言っていたので、良かれと思ってしたことが災いし、寒さで低温障害が出てしまったという好例ですね。

②葉の枯れ落ちとブッシュ化の進行

寒さや乾燥などでストレスを受けた株は、既存の葉が枯れ落ちるとともにブッシュ化が進行します。
「ブッシュ」というのは株元で細かく枝分かれした状態のことです。
アンスリウムの場合は子株がたくさんできますので、この子株を使って株分けの要領で増やすこともできます。

「株が増えてラッキー!」と思われるかもしれませんが、通常ブッシュ化は株が強いストレスを感じた時に株を生存させるために起きる反応です。
一度ブッシュ化が起きると、写真のように小さな葉がたくさんできることになります。
既存の葉に比べると大分小さいですよね?
株全体の見た目がかなり変わってしまうことになり、元の大きな株の状態には戻らなくなります。
なので、「どうも子株がよくできるなぁ」と思ったら、それは何かしらのストレスを株が感じていると疑ったほうが良いですね。

③意外と根は無事

地上部は大分様変わりしましたが、意外とと根は無事だったりします。
残念ながら写真を撮り忘れましたが、根は白く元気でした。
土は緩衝材としての機能を持つので、空気に比べて温度変化が緩やかです。
今回の場合は夜の寒さがストレスの主な原因と考えられますが、地上部のほうが寒さの影響を強く受けた一方、地下部は土のおかげで根傷みは起きていません。
時期的に寒さがそれほど厳しくなかったのが救いでしたが、真冬のタイミングだと株全体が凍傷を起こしていたと思います。

④小さいながらも葉は次々と生えてきたのでお返し

株全体はコンパクトな見た目になりましたが、小さいながらも葉が次々と出てきました。
おそらくもう枯れる心配はないと思うので、最近知人にお返ししました。
アンスリウムに限らず、植物は自身が置かれる環境にしっかり反応してくれます。
株の調子が悪くなってきたらその反応を参考に、ぜひ過去を遡ってみると良いですね。

SHARE

  • twitter
  • facebook
  • LINE

Re:Anth

一覧にもどる