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アンスリウムの出荷を4月上旬に止める理由

アンスリウム

毎週市場へ植物を出荷していると、ある面白いことに気づきます。
それは、市場のデータや注文の推移を見ているだけで「生花店(花屋)さんの動きがおおよそ予測できるようになる」ということです。
今回は4月上旬に起きがちな動きについてお話しします。

アンスリウムの出荷は3月上旬くらいからスタートする

私たちANTHICALは、毎年3月初旬くらいからアンスリウムの出荷が始まります。
美しい花を咲かせ、いざシーズン開幕!と気合いが入る時期です。
しかし、4月頭くらいになると、それまで活発だった動きがピタッとしばらく止まるのです。

理由は明白です。
3月いっぱいまでは、退職や卒業といったライフイベントが目白押しです。
花屋さんもギフト需要で大忙しになります。
しかし、4月に入って新生活がスタートすると、お客さんの動きがすっと落ち着きます。
それに連動して商品の動きも落ち着くことになります。
自然と花屋さん側にも「仕入れ量を減らそう」という力学が働くわけです。

その結果、どうなるか。
この需要が落ち込むタイミングで、いくら品質の良いアンスリウムを市場に出荷しても、驚くほど売立額(販売額)が大きく下がってしまうのです。
正直なところ、毎年この結果を見ては少しがっかりしてしまうのですが、市場の原理を考えれば仕方がないことだと受け止めています。
特に昨今は、世界的な戦争や急激なインフレの影響もありますね。
花屋さんの経営も決して楽ではないはずです。
仕入れに対してシビアになるのは当然の流れと言えるでしょう。

4月上旬は出荷を敢えて止める

だからこそ、ANTHICALでは「4月上旬はアンスリウムの出荷を敢えて止める」という決断をしています。
ビジネスにおいて、何にしても「メリハリ」は非常に大事です。
需要が落ち込み、明らかに成果の出にくいタイミングに、自分たちの大切な時間や労力といったリソースを割り振るわけにはいきません。
出荷を止めている間は、植物のケアや次の戦略を練るなど、もっと価値を生み出せる場所にリソースを集中させるべきなのです。

もちろん、生花店さんは私たちの育てたアンスリウムをお客様の元へ届けてくれる、商売における本当に大切なパートナーです。
その存在には日々感謝していますし、リスペクトもしています。
しかし、だからといって舐められるわけにはいきません。
「いつでもあの生産者は出荷してくるだろう」
「相場が下がっても出してくれるだろう」
とか思われたら主導権を失ってしまいます。

農業の世界、特に花の生産者は、基本的に優しくて「いい人」が多いです。
苦しい時でも健気に出荷を続ける姿は尊いものです。
でも私は単なる「都合のいい人」にはなりたくありません。

市場の動向を冷静に分析し、自分たちの商品の価値を自ら守り、高める。
ただ花を作るだけでなく、世の中に対して確かな「価値」を生み出せるアンスリウム生産者でありたいと、私は強く思っています。

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