世の中に出回っているアンスリウムに「知識をまとわせたい」という思いから、Re:Anthを立ち上げました。
YouTubeでもお伝えしている通り、アンスリウムは様々な魅力を備える植物です。
でも、それがどうも消費者の皆さんに十分に伝わっていないと感じています。
アンスリウムが日本に流通しだしたのは40年ほど前で、アンスリウムの日本でのキャリアはまだまだ浅いと言えます。
私が就農直前に研修していた愛知県の田原市・渥美半島で量産が開始されたと聞いています。
当時は珍しさも相まって、飛ぶように売れたという話を当時の作り手からも伺いました(今は当時に比べるとだいぶ落ち着いたようですが)。
40年前というと、ちょうど日本では「観葉植物バブル」が起きていた頃です。
今では信じられないくらい植物が売れまくった、大量生産・大量消費の時代です。
当時では文字通り「売れまくった」わけでなので、商品の情報についてそれほど丁寧に伝えなくても良かったのです。
なので、消費者の皆さんはそれほどアンスリウムに関する知識を得る機会が少ないまま、現物ばかりが世に出回ることになりました。
そしてバブルが弾け、徐々に観葉植物は売れなくなっていきました。
売れなくなると作り手はこう思います。
『これまではあんなに売れたのに、なんでこんなに売れなくなったのだ』と。
一世代前の作り手の価値観はだいたいこんな感じです。
次の世代の私から見ると、アンスリウムという「作物」を育てる努力は続けてきた一方、「お客様」を育てる努力を怠ってきたように感じています。
現在、花き業界は年間1%前後ずつ市場規模が縮小しています。
もちろん人口減少の影響もあるでしょうが、お客様を育ててこなかったことも一因だと考えています。
花を買うお客様の主な層が50代以上の女性なので、それ以下の世代への教育ができていないのです。
これは生花店というよりは作り手の責任が大きいと考えています。
作り手が農産物に一番詳しいわけなので。
新型コロナウィルスにより花や植物の価値が見直されつつあります。
消費者の皆さんには正しく情報を得ていただいて、納得したタイミングで植物を賢く購入していただきたいと思います。
少なくともアンスリウムに関しては「買って良かった」と感じてもらえる方を一人でも増やすために、このRe:Anthを発信していきます。