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(価格)ダイナミック・プライシングの試験導入

アンスリウム

ホテルの宿泊料金、飛行機のチケットなどで採用されているダイナミック・プライシング。
いわゆる需要に合わせて価格設定を変える手法です。
当園では需要に合わせて価格を変えて行こうと、試験的に導入を進めています。
当園側とお客様側にどのような利点があるのかを書き留めました。

お客様:時期によってお手頃価格で購入できる

お客様にとって一番のメリットはこれでしょう。
価格は需要と供給のバランスによって決まりますから、需要が落ち着いた時にお手頃価格で変えるのは
大変良いこと
だと思います。
一方で、時期によっては高い価格設定になるので、「前はもっと安かったのに、なんで今はこんな高くなってんねん!?」とクレームにつながるリスクもありますね。
ChatGPTさんも「ダイナミック・プライシングは価格変動の理由についてお客様に説明していくことが大事」と教えてくれています。

作り手:商品をずっと抱えるリスクを抑えられる

当園が一番考えたいのはこれです。
アンスリウムをはじめ観葉植物は季節商品なので、売れやすい時期…いわゆる「旬」があります。
言い換えるとその時期以外では売れ行きが低下し、農園が在庫をたくさん抱えることになります。
生き物ですから水やりやら植え替えやら、日々のお手入れのコストは発生します。
商品によってはそのうち商品が育ちすぎてしまい、商品価値が失われることもあります。
なので「早く売ってしまいたい」のが生産者側の本音ですね。

では農園はどうするかというと、在庫を捌くために卸売市場に商品を大量にばらまきます
ばらまかれた商品は破格で叩き売られることになります。
一方仕入れる側の生花店は安く仕入れられますが、いずれ「もうお腹いっぱい」になります。
この需要と供給のミスマッチが多くの不幸を生み出していると思えてなりません。
これに苦しめられている生産者は実にたくさんいます。

決して価格変動=安売りではない

価格を変動させることでよく言われるのは「安売り」という言葉です。
価格を下げるということは商品の値打ちを下げる可能性もありますし、「高く買わされた!」と不満を持つお客様も出てくるでしょう。
「じゃあ年間を通して安くしたら良いやん」と言われそうですが、それはただの安売りです。
お客様からすれば安いに越したことはないでしょうが、作り手からするとその売上が来年も商売を続けるための原資になります。
安売りをすると将来の原資が減ることになり、商品の品質も徐々に低下していきます。
その結果良い商品が店頭から消えることになるので、長い目で見るとお客様が損をします。
こちらとしては時期に応じた適正価格でお求めいただきたい。
安ければ良いわけではなく、そのあたりは理解を示していただきたいと思います。
そのためのヒントがダイナミック・プライシングだと考えています。

試験的に導入して反応を見る

ひとまず今回のダイナミック・プライシングは試験的に導入していきます。
その上で良い・悪いの反応を見ながら、今後の価格設定は決めていきたいと思います。
以前動画で話しましたが、世間が考える「旬」=すごく良い買い時ではありません
今回の取り組みを通して、お客様には賢くお買い物をしていただきたいものです。
ぜひ皆様のご協力をお願いします。

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