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【お手入れ】暖冬を受けて考えておくこと

アンスリウム

以前ブログにて、冬越しを中心にした記事をまとめました。
あれから約3週間経ちますが、本当に暖かいですねー。
日中はコートが要らないくらい日中は暖かかく、夜は夜で例年この時期ならではの凍てついた寒さも雪もなく、とても過ごしやすい毎日です。
アンスリウムを含む観葉植物の生産者は、毎年冬に多額の暖房費をかけます。
暖冬だと温度維持のための負担が減るので、今年は自然から落とし玉をいただいたなぁ…と喜んでいます。

急激な温度変化により株が傷みやすい

いろいろメリットが多そうな暖冬ですが、注意点もあります。
暖冬の年の植物は寒さへの備えができていないのです。
そこへ急激な寒波が来たりすると、一気に株が傷むことになります。
暖冬の年は1-2月に急激な寒さが訪れる場合があるので、その点は注意が必要ですね。

動物にせよ植物にせよ、一般的に生き物は急激な温度変化に弱いです。
人間も季節の変わり目に風邪を引きやすいですよね?
徐々に温度が下がっていったり、逆に温度が徐々に上がっていくという環境なら、生き物はそれに合わせて少しずつ体を慣らしていくことで温度変化に適応できるわけです。

暖かさによって株が休まらない

「冬眠」という言葉があるように、生き物によっては冬にじっと体を休ませることで春に活動を活発化させます。
植物も同様で、冬の寒さによって体を休ませることで春に一気に芽吹くわけです。
この効果が薄まり、開花のタイミングがずれ込みやすくなります。
アンスリウムはひとつの株に異なる開花タイミングの花芽が混在しているので、それほど気にしなくても良いです。
とはいえ、中途半端に暖かいと株の徒長リスクがあるため、徒長が心配な場合は窒素系肥料を控えるのも効果的です。
植物も人間も、メリハリをつけて休みを取ることが重要ってことですね。

本来寒さで死ぬはずだった虫が生き残っている

最後は虫害について。
暖冬は本来死滅するはずだった害虫の生存確率を上げることになります。
寒さは適度に虫を間引いてくれていたわけですね。
その効果が薄いので、春頃に一気に虫が発生する可能性があります。
おそらく今年の春は殺虫剤がよく売れるでしょう。
アンスリウムであればアブラムシやスリップスが発生しやすくなると思います。

自然ってよくできている

こうやってまとめてみると、自然って上手い具合に成り立っているなぁと感心します。
無理に環境をコントロールしようとせず、上手く付き合っていきたいものですね。

(再掲)低温障害・冬越しに関する動画はこちら(Vol.55Vol.59)で解説しています。
よければ合わせてご覧ください。

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