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【お手入れ】植物にとって「暗い」とは

アンスリウム

先日の今年度初の積雪クラスの雪が降りました。
水分の多いベタ雪でしたし、翌日は快晴だったのでそれほど大したことはありませんでした。
今年の元旦に石川県の能登地震が起きましたが、そちらでは大雪が降っているのだとか。
時間とともに被害の大きさが分かるようになってきて、早く復旧が進むことを願います。
現地に物資を届けることを考えましたが、おそらく同じような考えの人が渋滞を作ってしまうおそれがあるため、お金を寄付する形で支援しました。

植物にとっての「暗い」とは

さて写真の通りですが、雪が積もると室内が一気に暗くなります。
農園ならその日に積もった雪は、翌日が晴れならだいたいは溶け落ちてくれます。
一方大雪が降ったり、さほど気温が上がらない地域では雪が屋根に残り続けます。
その場合、部屋の中がずっと暗いという状況が続くことになります。

植物にとって暗いという環境は「光合成をするための光が不足している」ことを意味します。
光合成ができないと植物は生長に必要な栄養素(光合成産物)を作り出すことができません。
結果、自身の体を維持するために肥料成分やこれまで体内に溜め込んだ光合成産物を消費します。
これらは自身を生き残らせるための適応反応で、植物として生長することが犠牲になります。
光不足についてはこちらの動画で解説しているので、良ければご覧ください。

植物にとっての「暗くなる」とは

植物にとって「暗くなる」環境とはどのような場合でしょうか。
ちょっと植物の気持ちになって考えてみてください。
今回のように雪が積もったり、梅雨時にずっと曇りが続くことで暗くなる場面もあるでしょう。
これらは一時的なことで多くの場合、自身が育っている場所が暗くなるというのは「周囲の植物が育ち、それらの葉に覆われることで暗くなる」という事態になっていることを指します。
植物にとって周囲が「暗くなる」こと=死活問題であるわけです。
これが遺伝子レベルで刻み込まれているわけですね。

こうして植物は繁殖することを捨て、生存を優先する

植物は生き残るために様々な反応をします。
「徒長(ひょろひょろと株が細長く伸びる現象)」もそのひとつです。
植物が暗い環境に置かれると、「上に行けば光があるかもしれない」と解釈をします。
そのため、通常よりも高い位置に葉を展開しようとします。
こういった状況では、植物にとって自身を生存させることが優先されます。
結果、植物は花を捨てることになります。
花は子孫を残すために必要ですが、葉は自分が生き残るために必要だからですね。
光が足りないと花が落ちるのはそういうことを植物が考えるからです。

まぁ、人間もそうですよね。
親自身が生きていくだけで精一杯だったら、子どもを作ったり育てているどころではないわけです。
私にも子どもが2人いますが、きっといろいろな意味で余裕がなくなったら、子どものことは後回しにしてしまうだろうなと思います。
人生何が起きるかわかりませんので、植物のように強かに生きていくことは大事ですね。
植物の適応力の高さにはいつも勉強させてもらっています。

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