当園では植え替え用の土を販売しています。
その土をお求めいただいたお客様から時折、「植え替えをした後、どうも調子が良くないんだけど」という問い合わせをいただきます。
いやぁ、わかります。
ジワジワと株が弱っていくのを見るのは、本当に心がエグられます。
「何が悪かったんだろう…あの時ああしてしまったから?」とどんどん自己嫌悪に陥ります。
当方は商品を買ってもらっている側なので、お客様の株が万が一傷んでしまったら責任重大です。
ただ、植え替えをする時の環境って実に様々で、調子が悪くなってしまった原因も様々です。
そこで、植え替えの前・最中・後の3つのタイミングでありがちなことについて記事にしてみました。
トラブルシュートの参考にしてもらえたらと思います。
①植え替え前にやりがちなこと
・葉の褐変などの症状が見られるなど、地上部が明らかに弱っている株を使った
・根腐れが起きているなど、地下部が明らかに傷んでいる株を使った
・寒い冬など、相応しくない時期に作業を試みた
まずは植え替え前の時点でやってしまいそうなこととしては上記の3つが考えられます。
主に植え替えすべきでない株を使ったり、間違ったタイミングで実施してしまったケースです。
これらのケースに当てはまると、作業後に株がどんどん弱っていくことになります。
なので、まずは眼の前の株は植え替えをして良いものなのかを見極めましょう。
敢えて今はやめておくという選択も時には重要ですよ。
その英断が、その株を救ってくれる場合もあります。
植え替え作業はそれ自体、どうしても株にストレスがかかります。
せっかく土に根ざしている株を掘り起こし、根とその周辺をいじられるのですから、ストレスがかからないわけがないですね。
まずはタイミングを見計らうことが大事です。
②植え替え時にやりがちなこと
・同梱された手順書(マニュアル)を見ず、我流で実施した
・水を含ませず、乾いた土を使った
・鉢の隙間への土の詰め方が緩い、もしくはキツすぎる
次は植え替え作業時にやってしまいそうなことは上記の3つが考えられます。
…1つ目はもう論外ですね。
きっとこういう方は取扱説明書を見ずに家電製品を壊した経験がおありなはず。
工業製品と違って生き物は替えが効きませんので、もっと慎重にやりましょう。
2つ目もマニュアルに書いていますが、どのタイミングで水を与えるかはとても重要です。
こちらの動画でも解説しているので、ぜひ勉強してください。
最後の土の詰め方に関しては、人によって感じ方が異なる内容ですね。
詰め方が緩いと鉢の中に空洞ができ、キツすぎると水が通らなくなります。
目安は「親指以外の4本の指を立て、指先で土を押さえた時に沈まない程度」です。
③植え替え後にやりがちなこと
・植え替え後に水をたっぷり与えてしまった
・風の動きがない部屋に置いた
・暗い部屋に置いた
最後は植え替え後にやってしまいそうなことです。
要は「アンスリウムにとって望ましくない環境に置いた」ということです。
植え替え後のアンスリウムは、株がとても敏感になっているので、できるだけ生育に望ましい環境に置いてあげることが重要です。
特に光不足や無風、一定以上の温度環境など、光合成を阻害する環境には要注意です。
これらに気をつけてもらうと、基本的に時間とともに株が育っていくはずです。
もしよろしければこちらの記事も参考にしてください。