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(お手入れ)夏は高温のために花色が薄くなる

アンスリウム

夏になるとアンスリウムに限らず、花の色が薄くなるという現象が起きます。
先日「強光による色褪せ」という記事を書きましたが、どちらも高温環境下で起きる現象ですね。
この花色が薄くなる現象、少し紐解くと面白い点が見えてきます。

咲き始めの花色は濃いが、早い時間で色が抜ける

夏に咲く花は、咲き始めは冒頭の写真のようにちゃんと色がついています。
その色が、花序の老化とともに色が抜け、白色になっていきます。
夏はこの色が抜けて薄くなるまでの変化が非常に早いのです。
これは夏の温度が、夜間でも高いからだと考えています。
言い換えると、夜間の気温が低下する他の季節ではこの変化は遅くなります。

胡蝶蘭などの他の植物でもそうなのですが、花の開花速度を落とそうとした場合、低温環境下に置くという処置が取られます。
切り花を多く扱う生花店に行くと巨大な冷蔵庫が設置されているのはそのためですね。
涼しい場所に置くことで、切り花の寿命を延ばすことができます。

夏は新しい花の開花速度が上がる

色の変化が早いということは、植物の代謝速度が早いということです。
植物の代謝速度が早いということは、その分新しい器官が作られる速度が早くなるということですね。
そのため、夏は新しい花がどんどん開花しやすくなります。

そんなわけで、夏を乗り越えることで、非常にボリュームのある立派な株が出来上がります。
この時点の株を見ると、色の薄い花がついている場合がほとんどです。
でも、その後秋・冬に咲く花は、春先のものよりも大きくなります。
株としても強くなっているので、個人的にはこの時期にアンスリウムを買うのをおすすめしています。

昼間の温度は30℃前後、夜間の温度は15℃前後が理想

私が考える、アンスリウムをきれいに育てる上で理想な的な温度環境です。
夜間の温度が高いと昼間の光合成で生成した栄養成分が株の生長に使われず維持のための消費されてしまうので、できる限り夜間は温度を下げて株を休ませるのが理想です。
一方、昼間は光合成を目一杯促進させたいので、30℃前後まで上げるのが良いです。
この昼夜の温度差がある程度開いていると、株の生長は最大化されますね。
とはいえ、これ以上差を開けると暑すぎたり寒すぎたりする期間が発生します
この範囲に収めておくのが無難ですね。

まとめると

ネットで花を販売していると、「花色が写真のものと違う!」という問い合わせがたまに来ます。
春先の比較的時間に余裕がある時にサイトの整備をすることが多いので、このギャップ解決はなかなか大変です。

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