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(知識)アンスリウムの冬しか見られない特長って?

アンスリウム

一部の地域では雪が降っていますが、滋賀は対して降っておらず暖かい冬を迎えています。
そのせいか、1月でもお花を注文をいただきます。
その中でいただくご相談が「この時期のアンスリウムのおすすめは?」というもの。
アンスリウムは基本夏によく出回る植物ですから、冬ならではの商品が欲しいとのことでした。
今回は冬しか見られないアンスリウムの特長のお話です。
近いテーマの話を以前別記事でも書いたので、よければこちらもご覧ください。

花の発色が夏より綺麗になる

この時期のアンスリウムの特長はなんといっても花の発色が良いところです。
品種にもよりますが、夏だとなんか薄いというか白に近い花色になります。
これは夏の高温が影響しています。
ビビッドな花色のアンスリウムは冬しか見られません。
今くらい~初春くらいしか手に入りません。
それ以降になると気温が上がってくるので、人は過ごしやすくなりますが、アンスリウムの花色は少しずつ薄くなっていきます。
まずは季節によって色味が変わるということを知っておかれると良いですね。

花がオバケになりやすい(=花に緑っぽさが出る)

冬のアンスリウムはオバケになりやすいというのも特長です。
アンスリウムの色付いているハート型の部分は「苞葉」呼ばれ、植物分類的には「葉(がくへん)」です。
冬は施設内に保温カーテンにより遮光されてしまう影響で、室内が暗くなります。
また気温も低くなり、こういった環境が苞葉に本来の役割(光合成をさせる)を取り戻させます。

そんな背景から、品種によっては冒頭の写真のような緑とピンクのようなグラデーションになります。
この品種は、夏になると全体がピンク色に戻ります。
この色味はまさに冬しか見られません。
全品種がそうなるかと言えばそうではなく、そうならない品種もあります。

おすすめの色は淡色系×オバケになるタイプの品種

これらの情報を踏まえた上でおすすめの品種を上げるとしたら、「淡色系」かつ「オバケになる」タイプの品種でしょう。
これは冬しか見られない典型で、暖かくなってから欲しいと言われても手に入りません。
逆に赤色や白色などの原始的な色味は、季節や温度の影響を受けにくいのです。
夏になると赤色がピンクっぽくなるかと言えば、少しだけ褪せる程度。
それでも、その変化の度合いはピンクなどの淡色系に比べたら少ないです。
とはいえ、赤色でも冬になると色味がかなり濃くなるので、見比べると結構違いますよ。

生花店の方がこういう知識を持っておくと、「ちょっと買ってみようかしら」とかなるかもしれないですね。
人間「限定」の文字には弱いので(笑)。

まとめると

アンスリウムは春夏秋冬でそれぞれ季節感のある異なった花色を付けると考えています。
今回は冬と夏を中心に話しましたが、春と秋でも違った特長があるのです。
「アンスリウムが夏の花」とか言う人もいますが、アンスリウムは結構奥が深いのです。

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