
先日、植え替えを希望するお客さんが来園されました。
実はこの方、5年位定期的に通ってきてくれています。
4号の小鉢から育て、今では6号鉢になるまで大きくされています。
植物好きということもあり、育て方も上手い方です。
そこで少し話題に上がりましたが、鉢を徐々に大きくして株元が太い大鉢仕立てにしたい場合、品種選びが大事です。
その理由を解説してみようと思います。
「小鉢用の品種」は時間をかけても太い株にはならない
この品種はおそらく「アリスト」です。
アリストは花を多く咲かせる、コンパクトな仕立てになる品種です。
茎は細く花のサイズは小さいタイプです。
そしてこの品種は、小鉢用に作られた品種です。
小鉢に仕立てるからこそコンパクトに収まり、逆に大鉢で育てようとすると地上部の大きさが鉢の大きさに追いつかないという特徴があります。
無理やり伸ばしても、こちらの記事のようにヒョロヒョロした見た目になってしまうことも。
これはアリストに限らず、他の品種でも言えます。
小鉢用品種は基本的に小鉢として育てるほうがまとまりが良くなります。
大鉢仕立て用に株元を太くしたいなら「大鉢用の品種」を選ぶ
大鉢仕立てに見られるような太い株元に育てたい場合は大鉢用の品種を選ぶ必要があります。
ダコタやオレゴンなどが当てはまります。
これらは元から大きな花を咲かせ、背丈が伸びやすいので大鉢仕立てにしやすいのです。
まぁ、たまに小さい鉢から育て始めて大鉢仕立てにしてもサマになるものもありますが(シエラなど)、多くの場合は鉢の大きさによって役割を分けたほうが楽だったりします。
大鉢に仕立てるには時間がかなりかかる
「大きな株に育てたいんだけど、どうすればいい?」という相談は、実はかなり多いです。
然るべき品種を選んで、然るべきタイミングで徐々に鉢上げをしていけば、達成は可能ですね。
たまに株が全然育っていないのに不釣り合いなほど大きい鉢に植え込む方がいます。
これはかなりの悪手で、大抵の場合土の乾湿サイクルが崩れて枯れます。
そして大鉢に仕立てるにはとても時間がかかります。
最低でも3年は見ておいたほうがよく、その間水やりなどの手入れを失敗しないように継続しないといけません。
その苦行の末に、手元のアンスリウムは巨大な株になってくれるはずです。
この話は過去に動画でお話しています。
良ければ参考にしてみてください。