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(冬の悲劇)長期不在中のアンスリウムを守る技

アンスリウム

新しい年になって、早半月が過ぎました。
この年末は、帰省や旅行で数日間家を空けるという方も多かったのではないでしょうか?
この時期は、アンスリウムが寒さの悲劇に見舞われるケースが非常に多いです。
今回は「アンスリウムの冬の悲劇」と、それを防ぐための最低限のルールについてお話しします。
あと2ヶ月程度は寒い日が続くので、冬場のアンスリウムの手入れのヒントを押さえていただけると思います。

暖房の消えた部屋は「極寒の地」

私たちが部屋にいる間は、エアコンやヒーターが効いていて快適ですよね。
アンスリウムにとっても、それは過ごしやすい環境です。
しかし、年末年始の留守中は当然、暖房を切って出かけます。
最近の住宅は気密性が高いとはいえ、真冬の深夜から明け方にかけて、室温は想像以上に下がります。
ここで思い出してほしいのが、アンスリウムの出身地。
彼らは本来、暖かい地域で育つ植物です。
日本の冬、特に暖房のない室内は、彼らにとって過酷なサバイバル環境へと一変してしまうのです。

「8℃」のデッドライン

具体的に、何度までなら耐えられるのか?
生産者の視点から一つの目安をお伝えすると、それは「8℃」です。
室温が15℃を切ると成長が止まり、休眠状態に入ります。
そして、8℃を下回ると、目に見えて「ダメージ」が出始めます。

植物は言葉を話せませんが、身体でSOSサインを出します。
その初期症状が**「葉や花に現れる黒た透明のシミ」**です。

「あれ? 水滴がついているのかな?」 そう思って触ってみても、濡れていない。
葉の組織そのものが透けているような状態。
もし、あなたのアンスリウムにこれが見られたら、それは「寒すぎる!」という悲鳴です。

さらに温度が下がり、凍傷が進行すると、そのシミはやがて黒く変色します。
最終的には葉全体が黒くなり、パリパリに乾燥して枯れ落ちてしまいます。
一度黒くなってしまった葉は、残念ながらもう元には戻りません。
せっかく一年間大切に育ててきた株が、たった数日の留守番でボロボロになってしまう……。
生産者として、これほど悲しいことはありません。

窓際は「冷気の通り道」

では、どうすれば良いのでしょうか?
プロが行うような大掛かりな温室設備がない家庭でも、すぐにできる対策があります。
それは、「置き場所を変えること」

普段、「日当たりが良いから」という理由で、窓際にアンスリウムを置いている方は非常に多いです。
確かに光は大切ですが、冬の留守中において、窓際は最も危険な場所です。
窓ガラス越しに伝わる冷気(コールドドラフト)は、床を伝って鉢を直撃します。
部屋の中央と窓際では、数度〜5度以上も温度が違うことさえあります。
この数度の差が、アンスリウムの生死を分けます。

長期間家を空ける前にしてあげてほしいこと

年末年始、長期間家を空ける際の対策はシンプルです。

「窓際から離し、部屋の内側(中心部)へ移動させる」

これだけです。
できれば、床に直接置くのではなく、椅子や台の上に置いて、床付近に溜まる冷気からも遠ざけてあげてください。
「光が当たらなくて大丈夫?」と心配になるかもしれませんが、数日〜1週間程度であれば、寒さで枯れるリスクよりも、光不足のリスクの方が遥かにマシです。
まずは「冷やさないこと」を最優先にしてください。

春にまた会うために

もちろん、より本格的な防寒対策や、万が一ダメージを受けてしまった後のリカバリー方法など、お伝えしたい技術はまだまだたくさんあります。
品種によってはさらに寒さに敏感な子もいますし、水やりのタイミングで耐寒性を上げるプロのテクニックもありますが……
長くなってしまうので、そのあたりはまた別の機会に、こっそりお話ししようと思います。

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