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【ひとりごと】花屋はカーネーションを店頭から消したいらしい

ひとりごと


母の日が終わりましたね。
今年は連休が長かったこともあってか、昨年よりも落ち着いた母の日商戦だったように感じます。
アンスリウムは母の日明けからが本番なので、腰を据えて毎年このイベントを静観しています。
この時期ならではの花に「カーネーション」があります。
ここ数年カーネーションの売れ行きが良くないことから、知り合いのカーネーション生産者の面々から悲鳴が多く聞こえています。
特に今年はひどいようで、カーネーションの生産者は今後減っていくでしょう。
周囲から得られた情報を基に、今回はこの件についてつぶやいてみようと思います。

※報告※ 5/12(日)に品種検討会開催しました

普段当園と関わってくださっているファンの方と濃い時間を過ごすことができました。
当方としてもとても参考になる話を伺え、参加いただけた皆様に感謝申し上げます。
また詳細はブログにまとめていきますので、ぜひ御覧ください。

※告知※ 6/2(日)10-16時までオープンファーム開催

こちら(LINEへ繋がります)から事前予約をしてからご来園いただくととても嬉しいです。
お客様のバッティングを防ぐため、事前予約をおすすめします。
農園住所:527-0016/滋賀県東近江市今崎町625

一部のカーネーションの卸値が1鉢100円

ここ数年の卸売市場でのカーネーションの取引価格はかなり下落しています。
5号サイズ(鉢直径15cm)で作られることの多いカーネーション。
今年はその一鉢あたりの単価が100円だったそうです。
もちろん品質はピンからキリまでありますから、一部のカーネーションの話だと思いますが。
また、ホームセンターなどの量販店と生産委託契約を結んでいるカーネーションはもっと高い単価で取引をされているでしょう。
その一方で、このような金額で叩き売られているカーネーションもあるわけです。

ちなみにカーネーション5号鉢の平均的な希望取引価格(生産者が売りたい金額)は500円前後です。
実に80%OFFの金額で取引がされているということですね。
カーネーションは苗だけで100円くらいの費用がかかっていますので、大赤字ですね。
ただでさえカーネーションは母の日にしか売れないピンポイント需要の商品です。
売れて欲しいこの時期にこの取引単価では、生産者も浮かばれませんね。

泣くカーネーション生産者、儲かる生花店

さて、この差額の約400円はどこに行ったのか。もちろん生花店の儲けになります。
その100円で仕入れたカーネーションは、だいたい1,500~2,000円くらいで売られます。
原価10%を切る、この業界では破格の儲かる商品の完成ですね。
生産者は赤字で泣き、取引額の約10%が取り分の卸売市場は儲かりません。
格安で仕入れられた花屋だけが儲かるという構図になっています。
うーん、近江商人の「三方よし」にはとてもなりえない話ですね。

当然この取引が続けば生産者は生産業を続けていけません。
今後カーネーションの生産者は減っていくでしょう。
そりゃそうですね。あまりにアホらしい話なので。
そうなると、最終的にはカーネーションが世の中から姿を消すことになります。
世の中から必要とされない商品はいずれ姿を消すのが資本主義ですが、この消え方はセオリーとは異なるような気がします。
これでいいんですかね?消費者の皆さんは嬉しいんでしょうか。

ネットでもなかなかに攻めた価格設定になっている

もちろん悪い意味でですが。
トップの写真は5月11日10時時点での楽天市場のキャプチャー画像です。
だいたいが送料・税込で2,500円前後に設定されています。
私の記憶では、GW前半の母の日の注文を受け付けていた時は1,980円の商品がありました。
この設定で1注文あたりいくら儲かるんだろう。
また、この価格で儲かるカーネーションの品質はどれほどなのだろうと、私はとても興味があります。

楽天市場の場合、販売時の手数料がだいたい15-20%くらいかかります。
ヤマト運輸などの宅配を使うでしょうから、箱のサイズにもよりますが数百円が相場です。
梱包のための段ボール、チラシ、投げ込み用の入れ物などが別に経費としてかかります。
これらの経費を引いていくと、希望価格の500円で仕入れていてはスタッフの給料が支払えないという価格設定であることがわかります。
つまり、「100円で仕入れることが前提となった価格設定になっている」ということですね。

昨今は実質賃金が24ヶ月連続で下がっているという地獄のような状況です。
皆さんの財布事情は厳しいでしょう。
そんな中でもちろん安く買えることはいい面もあるでしょうが、そりゃ国民のお給料上がらんわな。
昨今言われている「サスティナブル」とはとても言えない。
ここ数年の母の日商戦はいろいろと考えさせられます。

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