最近来園される方を見ていて、どうも自然や植物のある環境に飢えているような印象を受けます。
当園はアンスリウムを専門に作っていますが、ただ作るだけではなく、癒やしの空間を提供する役割が加わってきたのかも？と最近感じています。
リラックス目的で来園される方が増えた
当園に来られるお客様のほとんどが、園内に入った時にその空間に驚かれます。
諸般の事情から、多くの生産者は一見さんをお断りしています。
そのため、アンスリウムに限らず植物が全面に並んでいる光景はなかなか見られません。
さらに、その中から自分の気に入った一鉢を選ぶということも非常に貴重な体験だと思います。
お帰りになる時のお顔を拝見していると、来園された時に比べ顔の表情がだいぶリラックスされているように感じます。
もちろんお気に入りの一鉢が見つかったこともあるでしょう。
その上で、空間にも満足いただけた面もあるのではと、勝手ながら感じています。
近くにお住まいの方々の中にはふらっと立ち寄ってくださるという方もあり、リラックス空間としての役割が増えてきたように思います。
特に冷やかし的な感じで来られる方はおられませんし、時間がある時は飲み物でもお出ししながらお話にお付き合いさせていただいています。
自然や植物に囲まれた空間は気持ちが落ち着く
当園にお仕事に来てくださる方が数名おられます。
その多くが女性ですが、割と長く働いていただいています。
その中で話を聞くと、やはり植物に囲まれた空間によって気持ちが落ち着くのだそうです。
以前私は東京で働いていました。
コンクリートに囲まれ、視界に植物が入る環境ではありませんでした。
初めの数年は良かったのですが、どうもこの環境に馴染めない自分がいたようです。
その結果、30歳を目前に控えた頃に農園にある滋賀に戻ってきました。
私は田舎者なので、やはり周囲に少しでも緑のある環境が体に合っているのでしょう。
当園に来られる方の話を聞いていて思うのですが、
現代人はちょっと緑に囲まれた環境に飢えているのでは？と感じます。
人間の身体が世の中の変化についていけていないような、そんな感じです。
植物の役割はより求められそう
今後デジタル化・ロボット化が進み、周囲の環境の無機質化が進みそうな気がします。
そんな中で、植物がより求められそうな気がしています。
以前造花の進歩に関するお話を書きましたが、何も天然の植物である必要はないと思います。
視覚的に緑の要素が得られるのであれば、造花でもなんでも活用すべきでしょう。
時代は常に変わってきていますので、世に求められる役割を、当園も果たしていきたいと思います。
