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(ひとりごと)高レジリエンスな品種の特徴とは?

ひとりごと

「おすすめ品種はありますか?」と聞かれることが増えました。
そう聞かれると、これまでは花の色や大きさ、花数で品種選びをしていました。
ただ最近、ふと「株が傷んだ時に復活しやすい、レジリエンスの高さもおすすめ理由として十分なのでは?」とふと考えることがあったので、その特徴について考えてみることにしました。
「なかなか上手く育てられないなー」と悩んでいる方は参考にしていただけるかと思います。

育てていると株は少しずつ傷んでくる

アンスリウムに限らない話ですが、消費者さんの置き場所は農園よりも生育環境が相対的に劣ります。
それは当たり前のことで、農園は育てることに特化した施設です。
なので、購入して時間が経つとともに株は少しずつ傷んでくるわけですね。
以前の記事でも水やりのミスについて触れましたが、何かしらが理由で傷んでくるのが普通です。

「買った時はすごくきれいに咲いていたのに、なんか花が落ちて寂しくなった」
「もらった時は葉がきれいだったのに、今では艶がなくなってしまった」

こんな経験は誰しも持たれていると思います。
農園でも同様で、一部の株は水やりが上手く行かずに生育が悪くなってしまったり、昨今の酷暑によってダメージを受けてしまうといったことが起きます。

傷んだ株を養生していると、品種間で復活の仕方に差が出てくる

「見た目アレだけどまだ根が元気」という場合は、株の養生を行います。
ただ、その時に同じ色でも品種によって傷みからの復活が異なることが最近わかりました。

・特定の品種は傷みが過剰にならなければすごくきれい。
 でも一度根が傷んでしまうと復活がかなり難しい。
・なんかイマイチな見た目だったけど、暑さが落ち着いた秋になって急激に回復した。
 しばらく経ったら商品として並べても問題なさそうなレベルに戻る。
・そもそもこの品種は傷みが起きづらく、生産者にとってとても安心できる。

見た目がきれいかどうかは別として、こういう特徴があるわけです。
生産者としては、できれば苗を購入する時点でこういう情報が欲しいところなのですが、残念ながら苗メーカーはそんなありがたい情報は出してくれません。
というか、「わからない」というのが正直なところだと思います。

復活しやすい品種のポイントは根

これは私の個人的な考えですが、ポイントは根の張り方にあると思います。
アンスリウムの品種の中には根張りの良い品種と悪い品種があります。
また、根張りが飛び抜けて良い品種もあって、この根張りの良さが復活しやすいかどうか(レジリエンスの高い品種かどうか)のポイントではないかと考えています。
一方、根張りの良い品種には弱点もあります。
根張りが良すぎるがために新陳代謝が早く、古い花が枯れやすかったり、水不足に敏感だったり、すぐに根鉢が形成されるのでまめな鉢上げが求められるといった点もあるのです。

もちろん復活させるとか考えなくても良いくらいに上手く手入れできれば良いのですが、なかなかそう上手くはいかないものです。
もし株を傷めてしまった時のレジリエンスの高さを考えた株選びをする上で大事な視点ですね。
気が向いたら、そんな高レジリエンスな品種の紹介もしてみようかと思います。

まとめると

高レジリエンスな品種は生産者が喉から手が出るほど欲しいものです。
珍しかったり、ちょっと変わった品種は低レジリエンスな気がします。

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