
こんにちは。
今日はいつもと少し毛色の違う、けれどすべてのビジネスパーソン、そして何より経営者の方々に読んでいただきたい話をしようと思います。
先日、私がお世話になっていたある社長さんの会社が倒産しました。
その知らせを聞いた時、私は耳を疑いました。
なぜなら、倒産のわずか2ヶ月前、その社長にお会いしていたからです。
「経営者」という生き物の凄み
2ヶ月前のあの日、社長はいつも通りでした。
笑顔で語らい、未来の話をし、微塵も「終わり」の気配を感じさせませんでした。
今思えば、その時点で水面下では壮絶な処理や葛藤があったはずです。
しかし、彼はそれを一切表に出さなかった。周囲に不安を与えないよう、最後まで「社長」としての姿勢を貫いていたのです。
この出来事があってから、別の機会にある会社の社員さんと話すことがありました。
「実は今、ウチの会社トラブル続きで大変なんですよ…」
そう語る社員さんの顔には疲労が滲んでいました。
しかし、その前日私はその会社の社長とお会いしていました。
またしても、そんな素振りを全く見せていなかったのです。
「会社を背負う」とは、こういうことなのか。
自分の感情や苦境を飲み込み、周囲には強きリーダーを演じ続ける。
その精神力に、改めて尊敬の念を抱かざるを得ません。
もし、自分が同じ立場だったら
私は生産者の端くれですから、嬉しい時は笑うし、アンスリウムの出来が悪い時は露骨にヘコみます。
たぶん、私が彼らと同じ状況に陥ったら、一発で顔に出てしまうでしょう。
「社長」とは、なんと過酷で、孤独な職業なのでしょうか。
明日は我が身、という現実
さて、ひるがえってウチの農園の話です。
おかげさまで、今のところ倒産の気配はありません。
アンスリウムたちも元気に育っています。
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しかし、「絶対に大丈夫」なんて保証はどこにもありません。
これだけ世の中の移り変わりが激しい時代です。
同業者や、普段付き合いのある身近な知人の会社だって、明日どうなるかわからない。
もちろん、倒産には前向きな撤退もあるでしょうから、全てが「悪」だとは思いません。
ただ、今回の出来事は「それは自分にも起こりうることなのだ」と、冷や水を浴びせられるような強烈なリアリティを私に突きつけました。
では、私たちのような「農家・農園」の場合、経営の危機はどのような形で現れるのでしょうか?
実は、一般的な企業とは少し違う、農業特有の「終わりのサイン」が存在するのです。
(後編に続きます)