「1日を通して、理想的な温度管理ってどうしたら良いだろう?」
そんなことをここのところ毎日のように考えます。
一昔前なら、こんなやり方が一般的でした。
①基本路線は、昼間は暑すぎず適度な温度に、夜間はできるだけ室内を温度を下げる
②昼間が暑すぎる時期は、胡蝶蘭の生産施設のようにエアコンで温室内の温度を下げる
③夜間はエアコンでギリギリまで温度を下げる
④冬期の夜間になると、重油をガンガン燃やして温度を一定以上に保つ
昨今環境問題やらSDGsやらESG投資やら、そんな話題がニュースに上がってきています。
一方で、園芸業界のやり方は過去ここ50年くらいそんなに変わっていないでしょう。
熱帯地域みたいに年中暖かい地域は別として、日本において観葉植物って実はとてもエネルギー食いで、作られる過程で大変環境に悪いものなのです。
いかに少ないエネルギー投下量で良いものを作るか
大量生産・大量消費社会では上記のようなやり方は正解だったのでしょう。
でも、個人的には、このやり方は「クールだ」と思っていません。
観葉植物は人間の精神状態の安定に貢献しているという研究も数多くあります。
なので、観葉植物が世の中からなくなってしまってはいろいろと困ります。
なので、できるだけ環境負荷の少ないやり方こそクールである、と常々考えながら事業を進めています。
夜におけるアンスリウムの理想的な温度管理
これまでから、理想的な温度帯は15-35℃に収まるようにしましょうというお話をしています。
では、夜間はどうなのかというと、基本的に下げられるだけ下げた方が良いと考えます。
夜間の温度が高いと、せっかく昼間に光合成で作った栄養分を自身の維持のために消費してしまうからですね。
この消費量は温度が高ければ多くなり、逆に低くなれば減ります。
そんなわけで夜間はできるだけ温度を下げた方が良いのです。
朝方は少しずつ温度を上げた方が良い
では、朝日が登るまで15℃くらいにしておいて、朝日が登るとともに温度を上げたら良いのかというとそうではないようです。
植物は基本的に急激な温度変化を嫌います。
私達も季節の変わり目に体調を崩しやすいですよね?
植物に限らず生き物全般に言えることです。
生産者の間では、夜間の温度管理のべき論は以下の2つとよく言われます。
①朝の3~4時くらいまではできるだけ温度を下げる
②4時以降は少しずつ温度を上げていく
なので、ご自宅でアンスリウムを管理されている場合は、
夜間は枯れない最低レベルの温度にしておいて、朝方から少しずつ温度を上げてあげるのが理想です。
ただこのやり方は、やりようによっては電気代などの資源をかなり食います。
そのあたりを考えて、お手入れの参考にしてもらうと良いですね。
個人的には、皆の生活がもっと朝型になれば夜に無駄なエネルギーを使わなくて済みます。
朝方から部屋が暖かくなって、とても良いことと思います(苦笑