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(お手入れ)観葉植物用土は「保水性」がキモ

アンスリウム

観葉植物用土について、どんな資材を混ぜれば良いかという問い合わせがよく来ます。
一口に観葉植物とは言っても様々なものがあります。
一律で「この用土を使っておけばOK」というものはありません。
過去の記事でも書きましたが、アンスリウムと一般的な観葉植物とでは好みが異なります。
「観葉植物用」と書かれた用土を使ってアンスリウムの植え替えをすると、だいたい悲しい結果になりますね。
私は個人的にキーとなる要素は用土の「保水性」だと考えています。

用土の「保水性」「保肥性」「pH」「根張りの良さ」

基本的にこれらの4条件が合う用土が作れれば、植物は上手く育ちます。
用土は全体の大部分を占める「基本用土」とそれ以外の「補助用土」に分かれます。
いろいろな特性を持つ用土を組み合わせることで、4条件を整えていくわけですね。
なので、ひとつの植物にとって正解はひとつではありません。
当園で使用している土も暫定的な配合比というだけで、完璧ではありません。
日々配合比を変えながらより良い組み合わせを検討しています。

アンスリウムの場合、保肥性は確保しつつも保水性が適度にあり、またpHは6.0程度とやや酸性寄りで、適度の空気の層を含んだ用土が合います。

一般的な観葉植物は保水性「低め」が好ましいとされる

この4条件のうち、多くの観葉植物とアンスリウムで大きく異なるのが「保水性」です。
多くの観葉植物では保水性が低めの土を使い、水やりをまめにすることが求められます。
「観葉植物用」とされる土も、保水性が低くなる粗めの土が多く使われています。
この土の保水性がアンスリウムと合わないために、アンスリウムの根にとっては「周囲に水が溜まらない」環境ができあがるわけですね。

この環境は、アンスリウムの葉に水不足特有の「黄色い」症状が発生させます。
葉に黄色い斑点ができたり、葉の縁が黄色くなったり、古い葉や花が黄色く枯れたりします。
逆に言えば、この保水性さえ気をつければアンスリウムにとって好適な土は作れるということですね。

保水性が低めの土でも、頻繁に水をあげれば育つのか?

これについての回答は「No」です。
実際に大学院時代の研究で実際に検証しましたが、上手くいきませんでした。
根にとっては適度に周囲に水気が残っていることが重要のようです。
保水性が低い土では一時的に水が不足する環境ができあがってしまい、水不足の症状が出てしまうようですね。
水やりの頻度を上げるなどの運用面でカバーするのは難しそうです。
これらの理由から、「土選びが8割」と動画でお伝えしているわけですね。

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