生花店に行くと、「投げ込み型」の寄せ植えが置かれていることがあります。
寄せ植えというと同じ鉢の中に複数の株を寄せて植え込んでいるものを指します。
一方、この投げ込み型は小型の鉢植えをそのまま鉢の中に敷き詰めるタイプの寄せ植えです。
写真は知人が最近もらった投げ込み型の寄せ植えです。
本人はもらった時点での状態が悪くショックだったそうで、嘆きのメッセージを送ってくれました。
うーん、投げ込み型全てを否定するつもりはないですが、株選びはちゃんとしてもらいたいですね。
投げ込み型の寄せ植えは作るのがとても楽
投げ込み型の寄せ植えはそのまま鉢にポットを突っ込めば作れます。
つまり、作るのがとても楽です。
胡蝶蘭のV3(三本仕立て)も同じ作り方がされていますね。
通常の寄せ植えだと土を別に用意してあげたり、植え込み手間も発生します。
一方で、投げ込み型ならものの数十秒で一鉢が完成します。
効率という観点ではすごく良い仕立て方なのです。
ただ、株元をそのままにしていると投げ込んだことがあからさまにバレてしまいます。
そこで、ココナッツファイバーなどで株元を隠してあげれば、パッと見は立派な寄せ植えが出来上がるわけです。
そんな理由もあって、今でもこのやり方で寄せ植えを作っている生花店がありますね。
セパレートされた土周りは手入れがやや面倒
ただこの投げ込み型、もらって手入れをする側からするとやや面倒な代物です。
なんせ鉢の中で土部分がポットでセパレートされているわけです。
それぞれのポットに水を与えなければいけないという面倒さがあります
写真のものだと各鉢に丸いポットを4つ入れて作られていますね。
この場合、投げ込む時にポットの形が歪み根の状態が悪くなります。
また四角い鉢に形を合わせると、どうしてもポットの間に隙間ができてしまいます。
そうなると、水をしっかり与えていたと思ったら土に水がかかっていなかったとか、株毎に水のやりムラができるといった事が起きてしまうのです。
先述したココナッツファイバーが使われていたらパッと見その状態がわからなくなるので、気がついたら一部のポットが枯れていたというケースもよく耳にします。
ただ、投げ込み型は株の入れ替えが楽であるという点は優秀ですね。
枯れたポットを新しいものに替えれば見栄えは改善されますから。
長く育てるなら、やっぱり鉢の中でひとつにしてあげた方が良い
短期的に楽しむならいいのですが、アンスリウムのように長持ちする植物ならできればポットは外し、鉢の中でひとつにしてあげた方が良いですね。
その方が根周りの環境も改善されますし、部分的に水がかからないといったリスクも減らすことができます。
この写真を送ってくれた知人は、次の休日に植え替えをしてあげると言っていました。
ちなみに当園の寄せ植えは株をポットから抜き、ひとつの鉢に植え込むスタイルです。
植え込む時に少し根傷みがどうしても発生しますが、後々根が伸びてくれる余地ができますし、水やりもしやすいです。
株をポットから抜く時に根の状態をチェックできる点も良くて、もし株が傷んでいたら別のものと交換できるので、私はこのやり方を用いています。
まとめると
「寄せ植え」って実にいろいろなやり方があります。
それぞれの違いを知っておくと、より長く楽しんでいただけるかと思います。