
先日「秋になったら気をつけること」というテーマで記事を書きました。
そんな折にこのテーマにピッタリな問い合わせが舞いこんで来ました。
写真のように、花が枯れ落ちたという症状です。
せっかくなので、ケーススタディとして原因を考察してみました。
葉焼けを防ぐために光不足に陥るケース
この問い合わせでは、以前購入したアンスリウムにトラブルが起きたことに対する相談でした。
花が枯れ落ち、一部の葉に根腐れと思われる茶色いシミができたという症状ですね。
空調の効いた部屋に置いていたので温度における問題はなかったのですが、
どうやら1日の大半を光があまり当たらない場所に置いていたそうです。
一般的に写真のような症状を見ると「水不足」を疑います。
でも、いろいろとお手入れ環境を聞いていくと、どうやら「光不足」が原因と判断しました。
水やりのやり方が悪かったことが原因で株が傷むことはありますが、今回の場合は光が足りないために土が乾くサイクルが狂ったというケースだと考えます。
「光」は一番に押さえるべき環境要因
過去に動画でもお伝えしたのですが、様々な環境要因のうち一番に押さえるべきなのが「光」です。
今回の場合、以下の理屈で株トラブルとして顕在化したのだと考えます。
①光が足りない
②光不足により光合成が十分にされない
③光合成がされないので水が消費されない
④株が土の水分を吸収しないので土が乾かない
⑤土がずっと湿った状態が続く
⑥季節が夏ということもあり、土が蒸れた
⑦葉に蒸れが原因と思われる症状が出た(写真には未記載)
おそらくこんなところでしょう。
光を出発点として、水や温度、湿度に影響が及んでいます。
根本原因を見誤ると「これは水不足に違いない」と水やりをしてしまうことになります。
すでにシミが出ていますから、根腐れを誘発することになったでしょう。
ここ数年は冬の寒さよりも夏の暑さの方が懸念
ここ数年、暑い夏が続いていますね。
アンスリウムは夏に出回る花で、冬の寒さには弱いです。
一昔前は冬のトラブル(低温障害、冬越し)がよく話題になりましたが、最近は夏をどう乗り切るかの方が話題に上がりやすくなりました。
「蒸れ」は非常に厄介な症状で、根を含む株全体が溶けるような事態にまで発展します。
またその原因が水やりだったりするので、さらに面倒ですね。
知らず知らずに持ち主が株にトドメを刺しているのです。
前とは違ったトラブルが起きてきているので、それに合わせた対処が求められます。
自分でその対処ができれば御の字ですが、時にはプロに頼るのもひとつだと思います。