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(考察)主原料のピートモスの裏事情

ひとりごと

アンスリウムを育てる上で必要になってくる「ピートモス」。
植物が長い年月をかけて堆積してできた、植物版の化石のようなものです。
アンスリウムを初め多くの植物の土として使われています。
このピートモスはヨーロッパやカナダから輸入されて国内に入ってきていますが、このピートモスの輸入量が今後減っていきそうな動きがあります。

ピートモスを採掘すると二酸化炭素が出る

環境問題が話題として取り上げられることが増えた昨今。
実はピートモスの採掘は環境問題につながっていると言われています。
ピートモスを掘り起こすと、その地層から二酸化炭素が空気中に放出されることがわかっています。
そのためヨーロッパでは、ピートモスの採掘に対して規制がかけられるようになりました。
今すぐ採掘NGというくらいのキツイ規制ではないそうです。
ただ、今後は採掘量が減っていく傾向にはなりそうです。

ちなみに、ヨーロッパでアンスリウムの土にピートモスを使うのは経済合理性がある(要は安価である)からだそうです。
そのため、どうしてもピートモスを使わないといけないという空気感ではないそうです。
今後おそらく、別の資材が検討されていくことになるでしょう。
近い将来、アンスリウムにピートモスを使うのは時代遅れになるかもしれませんね。

ピートモスの採掘量が減ると、日本の生産者が減る

さて、この動きが日本に与える影響について。
ピートモスの輸入量が減ると、ピートモスの仕入れ価格が上がるはずです。
現在円安により仕入れ価格が既に上がっていますが、それとは別に上記の規制があるわけです。
なので、今後円高の影響などで多少の上下はあるにせよ、長い目で見るとピートモスの価格は上がる傾向にありそうです。

そうなると困るのは国内の観葉植物生産者ですね。
過去の動画で話しましたが、多くの生産者が使用資材を輸入に頼っています。
今は円安の影響もあって、生産コストが跳ね上がっているはずです。
また多くの生産者は卸売が中心です。
他業界と同様、このコスト上昇分を価格に転嫁できているかは怪しいところですね。
私はここ数年は「耐久戦」になると睨んでいます。
体力(財力・貯金)のない生産者からバタバタと倒れていくはずです。

そして農業界は高齢化が進んでいます。
歳を取るとどうしても気力が衰えてくるので、「儲からないからやめるわ」と廃業する生産者が増えていきそうな気がします。
その結果、世の中に出回る観葉植物の量が減ることになります。
欲しくても手に入らないものも今後出てくるかもしれませんね。

これを受けて当園はどうするか

そろそろ「湖東フラワーさんはどうなのよ?」と聞かれそうな気がしてきました。
そのあたりは安心してもらって良いです。
当園はやっている活動が生産者らしくないと言われていて、小売にしろYouTube活動にしろ、他の生産者がやらないことに幅広く取り組んでいます。
その結果いろいろと「兆し」が見え始めていて、新しい生産者のスタイルとして確立させていけそうな気がしています。

今回のピートモス問題については、国内のピートモスを利用するために研究を続けています。
実は国内でもピートモスが採掘できるんですよ。
国内で調達できればそのほうが国内にお金を落とせて良い話ですし、為替の影響も受けません。
日本は資源のない国ですから、せめて「自分の頭」を使ってしぶとく生き抜きたいものですね。

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