当園には毎年アンスリウムを買いにお客さんが多く来られます。
基本的に皆さん礼儀正しく、気持ちよく買ってくださります。
その中には極稀に、こちらがちょっと不愉快な思いをしてしまう無礼な方もおられます。
まぁ、そこはいろいろな人がいますから、できる限り穏便に対応するようにしています。
「不愉快なのでお引き取りください」と、咄嗟に口から出てしまった
つい最近、こんなケースがありました。
両親の知り合いの老夫婦が、たまたまどちらも不在だった時に来園されました。
私が代わりに接客したのですが、旦那さんの方がちょっと無礼だと感じる物言いをされたんですね。
初めは両親のお友達だからと穏便な対応を心がけていました。
ただ、そのうちにお相手の言葉がエスカレートして行きました。
「そんな言い方をされる筋合いはありません。大変不愉快なのでお引き取りください」
という言葉が、カチンと来た私の口から咄嗟に出てしまったわけです。
両親であればそんな無礼にも大人な対応をしたのかもしれません。
でも、まだまだ未熟な私にはできませんでした。
私の言葉を聞いた旦那さんは、まさかカウンターが来るとは思っていなかったのか、一瞬驚いた表情になられた後、「怒らせるつもりはない」とフォローされ、奥様をその場に残して車に戻って行かれました。
とまぁ、そんな「やっちまった」出来事があったわけです。
言ったことに対して間違ったとは思っていない
その場に残された奥様は居づらそうにされていて、何度もお詫びの言葉をかけてくださりました。
あ、奥様はとても良い方でしたよ。
そんな奥様には悪いのですが、個人的には口から出た言葉について悪かったとは思っていません。
ひとつ上の世代ですから、「お客様は神様だから、金さえ払えば何を言ってもいい」という価値観があると思います。
残念ながら私にその考えは合わなくて、こちら側にもお客様を選ぶ権利があると思っています。
無理をして無礼なお客様に付き合うと、相応の無礼なお客様が寄ってくると言いますし。
以前の記事でも書きましたが、無料につられて来るお客様にはそういう方が多いような気がします。
嫌な思いを我慢して塞ぎ込みながら仕事をする必要はないと思います。
救いだったのは、事の顛末を両親に伝えたところ、「別にいいよ。お前は悪いことはやってない」と言ってくれたことでしょうか。
そこまで付き合いの深い知人ではなかったそうなので、大事にはならずに済みました。
自分なりに仕事を前向きにやってきたことの現れのかも
今回の件を受けて、「それなりにこの仕事に打ち込んできたんやな」と再認識しました。
2代目というのはいろいろなことに板挟みになる立ち位置だったりします。
特に初代(私の場合は両親)と比較されて評価をされます。
上手く行けば「親が作ってきた基盤のおかげやな」と言われ、
失敗すれば「お前の親はこんなに上手くやってきたのに」と言われます。
人によっては若くして社長になれていいなとか言われたりします。
良い部分・キラキラした部分がる一方で、悩む部分もあったりするのが2代目です。
初代が築いた基盤を引き継いだ=親が敷いたレールの上を歩いている、と私は捉えていました。
なので、自分ではこの仕事に対してドライな気分でやっていたつもりでした。
それが今回の件を受けて、自分に気持ちに少し向き合えたかなと感じています。
戻って来る前は一応大手の上場企業で勤務していました。
ですから戻ってすぐの時は、手掛ける仕事の大きさとか、キラキラ感の違いにがっかりしたこともありました。
ただ、事業規模はさておき、立場が変わったことで仕事をするスタンスは変わりました。
「誰かが作った仕事をやる」から「仕事を生み出す」になったわけです。
嫌々やっていると、それが従業員にも伝わりますし、前向きでないとやってられない仕事ですね。
もちろん、まだまだ未熟な身ではあります。
まとめると
この件を従業員に話したところ、「よく言った!」という言葉をいただきました。
この姿勢は、従業員の仕事にかける姿勢とか情熱を少しは守れたのかもしれません。