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(ひとりごと)ステルス値上げって私達が結局損してる

ひとりごと

金利とインフレのある世の中になり始めている昨今、この業界でも値上げの話題が出始めています。
食品では当たり前に起きているステルス値上げ。
これを花でやるのはなかなか難しかったりします。
そのため、生産者として据え置き(生産者側が得られるはずだった利益を削る)しているところが多かったのですが、ここまで急激にいろいろなコストが上がってくると、そろそろ限界かな~という印象です。

私もそうですが、多くの方にとって値上げは耳の痛い話だと思います。
「来月から値上げします!」という告知は、商売を営む側からするととても勇気が要ります。
ちょうど先日取引業者にこの打診をしました。
一応受け入れてもらえましたが、電話越しながら心臓はバクバクしていました。
こういう話はしなくて良いならしたくないのですが、時にはやらないといけません。
だって経営者だもの。

値上げにすごく敏感な日本人

長らくデフレ社会にあったせいか、日本人は「値上げ」にとても敏感です。
これまで◯◯円だった商品が××円に値上がりすると消費者はすぐに気づきます。

「ウィンナーか何かを容量そのままで値上げしたら販売量が半分になったので、容量を減らして値段を元に戻したら販売量も復活した」という話を聞いたことがあります。
それくらい敏感なんですね。
結果、値段はそのままで内容量がこっそり減るという「ステルス値上げ」が当たり前になりました。
セブンイレブンの、消費者を騙すようなパッケージもその結果生まれたものですね。

そういえば、内容量そのままでその分値上げされた商品と、値段はそのままで内容量が相応に減った商品、消費者が損をしているのは後者だと私は思います。
内容量が減った新しいパッケージを作らないといけません。
基本パッケージは基本ゴミとして捨てるので、正味(中の食べ物)の部分に使われるお金が減ることになるわけです。
セブンイレブンも、もっと商品を美味しくするための開発にお金を投じてほしいのに、見た目をごまかすパッケージにお金を投じてしまっているわけなので、回り回って消費者が損をしています。
そういうお金の流れを、私たち消費者はもっと知らないといけないなぁ、と。

花ならステルス値上げの影響はどこに出るのか

さて、冒頭に話したステルス値上げが花に起きるとどうなるのか。
年末の記事でも少し触れましたが、思いつくところでは以下のことが考えられると思います。

①花が小ぶりになる
 →ハウスの加温費を絞ることになるから
②買った時に肥料が切れている
 →これまで与えていた肥料費を絞ることになるから
③流通量自体が減る
 →生産面積を縮小する生産者が出てくるから
④化粧鉢などの資材がショボくなる
 →より安い資材に切り替えることになるから
⑤根傷みなど品質に難のあるものが増える
 →これまで廃棄していたB級品も出荷してできるだけお金に変えようとするから

だいたいこれくらいかなぁ、と。
特に②や⑤は、消費者の手元に届いてからジワジワ効いてくる部分です。
無い袖はもちろん振れませんが、商品には適正な価格があります。
これを逸脱しすぎると、こういったところに徐々にしわ寄せが来ることになります。

商品としてではなく、材料として花を買う流れが進む

ステルス・わかりやすい値上げ関係なく、値上げが続くと花の扱いってどうなるのかな…と、いろいろ妄想をします。
消費者は「良いものを安く買う方法はないものか」といつも考えています。
すると、「どうでも良いものは捨てて、必要なものだけほしい」という感じになっていくのかなと。
花の場合、完成品ではなく材料(花材)として買われるようになるのではと私は予想しています。
材料(花材)として花を買って、最終的なデコレートは消費者自身がやるというイメージですね。
昨今DIYが流行っているのも、「自分で材料を買ってきて、加工するのが安く済むから」という面も大きいからでしょう。
もちろん、「自分でやるのが楽しいから」という面もあると思います。

生産者サイドからすると、見た目は一旦置いておいた無骨な商材(でも安い)が今後求められそうな気がしますね。

まとめると

結局のところ、「もっと安くならないの?」という考えは回り回って自分が損をするってことですね。
お金は気持ちよく払いたいものです。

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