土の乾きを色で知らせてくれる水分計「サスティー」。
このサスティーを使ったアンスリウムの水管理について、最近問い合わせが増えています。
「色が変わったら水をやっている」というマニュアルに従った使い方をしているのに、株が傷んでしまうという内容のものが多いです。
サスティーは水やりにおいて60点を取れるもの
過去にサスティーについて解説した動画で話しました。
個人的には、サスティーは水やりにおいて60点を取るためのものだと考えています。
植物をまったく育てたことがなかったり、育ててすぐの初心者さんにとってはこの「水やりで60点を取る」というのはなかなかハードルが高かったりします。
相手は生き物ですから、杓子定規なやり方をしているだけでは100点は取れません。
そんな相手に高い点を取るには日々の観察が求められます
これが「水やりが難しい」と言われる所以でしょう。
そして、そのハードルを視覚的に下げてくれた素晴らしい小道具が「サスティー」です。
ただ、「アンスリウムを維持もしくは新しい花を次々に咲かせる」ことを目的にした場合、60点の水やりではとても足りません。
維持するレベルで70点くらい。
その上で、株をさらに大きく育てようとしたら85点は必要だと考えます。
そのため、サスティーの色の変化に頼り過ぎた水管理では、株はどんどん傷んでいきます。
サスティーの色が変わるタイミングと
水やりのタイミングには致命的なタイムラグがある
サスティーの色を参考にしている多くの方は「色が変わったらすぐやっています!」と仰ります。
ただこのタイミングが結構曲者で、サスティーの色が変わるタイミングと、水やりをするのに適したタイミングとに微妙なタイムラグが発生します。
多くの場合、サスティーの色が変わってから水をやったのでは「遅すぎる」のです。
その証拠に、問い合わせを受ける時に一緒にいただいた写真を見ると、だいたい水不足が原因と見られる黄変や、水不足がこじれて発生した根腐れの症状が株に顕れています。
そんな理由があって、アンスリウムにおいてサスティーに頼りすぎた水やりはだいたい失敗します。
サスティーはあくまで、「株をすぐに枯らさないための最低限の保険のようなもの」くらいに考えるのが期待値調整としては良いと思います。
アプリのスケジュール登録をベースに、観察で微調整するのが理想
とはいえ皆さん多忙な現代、植物を日々観察するのは大変ですね。
なので私はスマホのスケジュールアプリの利用をおすすめしています。
スケジュールアプリに「2週間おきに水やりのリマインドを設定しておく」んですね。
これでおおよそのタイミングを知らせてくれます。
後はリマインドが表示されたタイミングで株の状態をチェックし、「もうやり頃かな」「いや、もう1日後でやろうかな」と微調整していきます。
そもそも、水やりを技術として習得するのはなかなか難しいです。
感覚的に絶妙なタイミングで水やりをできる方が稀にいますが、それは才能のなせる業ですね。
多くの方はそんなことはできませんから、素直に文明の利器に頼りましょう。
まとめると
サスティーは観葉植物全般に使えるとされています。
ただ、私は観葉植物の中で向き不向きがあると思います。
2-3日に1回とか、もっとまめに水やりが必要な植物に向く小道具だと思いますね。