水やりをミスしたことで、株は徐々に傷んできます。
この傷みは手入れ方法次第で早い段階なら修正しやすいのですが、気がついた時にはだいぶ傷みが進行しているという場合もあるでしょう。
これをどう仕切り直しするかということで、ポイントをまとめてみました。
仕切り直しは根の状態を調べることから
最近、春頃にアンスリウムを購入していただいた方から問い合わせがありました。
こちらの記事で少し触れましたが、この株を実際に仕切り直していこうというわけです。
写真だとわかりづらいですが、元々8号サイズに2株植わっていて、そのうち1株は枯死。
生き残った残り1株だけでも救ってやろうという経緯です。
仕切り直しの順番ですが、とにもかくにもまずは根の状態を調べることからです。
地上部は青々としているのに根はほとんど腐ってしまっている、というケースは結構あります。
「地上部が緑で花も咲いているから、きっと根も張っているだろう」と思い込むのは危険な判断です。
この結果手遅れになるまで株の傷みが進行した…という話はよくある話ですね。
とはいえ、根を掘り返すのはいろいろリスクもあります。
そのあたりの判断は難しいところです。
ヘッドラインの写真は掘り返した直後の株の根の様子です。
茶色く腐ってしまった根が見て取れますね。
白い根がどれくらい残っているかを探す
地上部は青々しさが残っていて根の状態がこれだと、正直まだなんとも言えません。
ここから土と茶色く腐った根を少しずつ削っていき、生きている白い根がないかを探します。
写真は少し削っていった後に見つかった白い根。
まだ株は生きていそうですね。
ちなみに、このタイミングで白い根が全くないという場合は復活は難しいです。
この先の手入れを続けるか、それとも断念するかの判断ポイントです。
白い根を傷めずに収められる鉢に植え替える
白い根が確認できたら、その白い根が収まるサイズの鉢に植え替えます。
元々8号サイズの鉢に2株植わっていましたが、写真では5号サイズにまでダウンサイズしました。
鉢をかなり小さくしたわけですが、本気で鉢を救おうとしたら、これくらい思い切ったことをせねばなりません。
この後株が復活して根が張ってきたら、今度は少しずつ鉢をアップサイズしていきます。
株を治すというのはそれくらい手間がかかるわけですね。
生産者目線で言えば「もう新しいの買い直した方が楽なのに…」とか思ってしまいます(笑)
誰か大事な方からもらった鉢植えなら替えは効かないので、何とか直したいというのが心情でしょう。
その他に気をつけること
ざっと流れを解説しましたが、他にも気をつけることがあるとしたら以下のことでしょう。
①植え替えはできるだけ暖かい気候のうちに
これはこれまでからずっとお伝えしていることなので、もう詳しくは言いません。
②土はできれば新しいものを使う
鉢下げをする時は、植え替え前の鉢に入っていた土を使うという方もおられるでしょう。
根傷みしている鉢は、根が腐って土の中の肥料成分を吸えていないために、土の肥料成分が高濃度担っている場合があります。
そうなると根傷みが加速する可能性がありますし、土の組成も時間とともに劣化します。
そういう点で3ヶ月~半年くらいを目安に、それより古い土は使い回さないのが理想です。
③肥料は使わない/使うなら活性剤or発根促進剤
株の養生初期段階では肥料の追加はNGです。
根を早く生やしたいなら、適度な栄養不足状態を土の中に作ってあげる必要があります。
植物活性剤や発根促進剤は逆に使った方が良いです。
ちょうど良いセットがAmazonに売っていたので、こういったものを使うのはアリですね。
まとめると
ここまで長く書きましたが、これで株が上手く復活すると、とても気持ちが良いですね。
「よっしゃー!」とついガッツポーズしたくなりますし、自信もつきます。