Re:Anth

(ひとりごと)使っている土について問われる時代

ひとりごと

先日「土が使われていない観葉植物を探している」という、とても興味深い問い合わせが来ました。
理由を伺うと、御神殿に捧げるため土が使われていないものが必要なのだとか。
候補として挙がったのが胡蝶蘭とアンスリウムだそうで、当園に問い合わせが来たようです。
今回は特殊なケースだと思いますが、植物に使う土についても生産者側のスタンスが問われてくるんじゃないかなと思い、今回の記事テーマにしてみました。

土の定義は「自然にあるもの」

一般的に「土」は、自然にあるもの(自然物)と定義されています。
「自然物=ゴミではない」ため、土はゴミとして廃棄することができません。
ということは、植物を楽しんだ後にこの土をどう処分するかが問題になってきます。
庭のあるご家庭なら、楽しんだ後の鉢物の土は庭の肥やしにすれば解決するでしょう。
でも、集合住宅などにお住まいの方はそういうわけにはいきませんね。
鉢を一式処分するだけでもとても手間がかかるわけです。

その点で言えば、アンスリウムの土の主原料である「ピートモス」は土ではありません。
ピートモスは植物の化石のようなものなので、有機物の一種なんですね。
ピートモスだけが配合された土なら、ゴミとして捨てることができます。
でも、ピートモスの他に赤玉土などの「土」が混ざると捨てることができなくなります。

どんな土が使われているかが今後問われてきそう

最近「エコ」や「環境問題」という言葉が浸透してきたこともあり、単に経済性(安価だから)だけでは素材選びをできなくなってきました。
これまでは問題なく使えてきた素材が避けられるようになったりする場面も出てくるでしょう。
そうなると、「これまでずっとこれを使ってきたから」という論理も通用しなくなるかもしれません。

また海外の規制などによって、今後使えなくなる素材も出てくると思います。
以前の記事で海外産のピートモスについて触れましたが、これも正にそうですね。

捨てやすい土の追求

当園は「捨てやすい商品であること」を大事にしています。
植物というのは実にお手入れの手間がかかるヤツなのです。
だから、本筋から外れたところの手間はできるだけ減らした方が良いと考えています。

当園で使っている土は、実は全て捨てられるものでできています。
そのため、見た目はそのへんに転がっていそうな感じはしますが、燃えるゴミとしてそのまま捨てられるようになっています。
赤玉土や砂といった自然物を入れてしまうと、冒頭でお伝えした通り分別の手間が発生します。
これは実に面倒臭い話ですね。
必要な手間と不要な手間はできるだけ分けて、商品づくりをしていきたいものです。
今回の問い合わせは、実に良いきっかけになりました。

SHARE

  • twitter
  • facebook
  • LINE

Re:Anth

一覧にもどる