
つい先日、農園の近くにある某中小企業が廃業するという知らせを耳にしました。
当園と同じく先代が創設した会社で、某大手企業の下請けとしての仕事を中心にされていたようです。
ここ2,3年企業の倒産・廃業件数が増加傾向にあるのは知っていましたが、ごく身近なところでこういう話が出てくると、やっぱり対岸の火事ではないなーと思わされます。
下請けの仕事だけしている会社は生き残りが難しい
冒頭に話した企業は製造業でしたが、農業・園芸業も他人事ではない話です。
特に「下請け仕事が中心」の企業は今後どんどん生き残りが難しくなると思います。
何が厳しいって、価格決定権がないのがホントに厳しい。
このご時世、いろいろなものが値上がりしていますね。
だのに、値上げの打診がしづらかったりするので、その分利益が圧迫されます。
昔キンコン西野が言っていましたが、自分の商品を持たないといけないのはその通りだと思います。
とはいえ、「下請け」という仕事仕方が完全悪というわけではないです。
売上が安定するメリットもあるので、要はバランスかなと。
規模が大きいほど経営が厳しくなる花き生産者
うちの業界では、今は規模がそこそこの生産者が窮地に立たされています。
いかんせんたくさんの在庫を抱えているので、とにかく出荷していかないと次期作に向けたスペースを確保できません。
供給量が過剰だと値崩れを起こしますから、単価も崩れていきます。
でも在庫を捌かさないといけないので、売れようが売れまいが商品を出荷することを止めるわけにはいかないのです。
花き業界の場合、実に9割が卸売市場を経由して商品を卸しています。
そのため卸売市場に価格決定権があり、市場の下請けのようになっている生産者が多いのも特徴です。
以前記事にもしましたが、いよいよ潮目が変わってきた感じがしますね。
(たとえ嘘でも)「面白くなってきたんじゃないか!?」と口にする
例に漏れず当園も試されているわけですが、「面白くなってきたんじゃないか!?」と口にするようにしています。
言霊とはよく言ったもので、前向きな言葉を口にすると思考も自然と前向きになるものです。
アンスリウムの生産者は、愛知県や四国地方などに農園が集中しています。
一方、滋賀県を含めた関西では当園だけです。
なので、「陸の孤島」だの「そんな地域でやっても仕方ない」だの、実はこれまでいろいろと言われてきました。
でも、ここ2,3年でそのマイナスと思われていた面がプラスに働くことが増えてきました。
花業界は近隣に同業者がいると互いに監視・牽制し合う文化があります。
まぁ、花業界というか日本全体がそんな感じがしますが…。
横並びというか、何か目新しいことを始めようとするとすぐに広まります。
そしてある時はアイデアをパクられ、またある時は足を引っ張られます。
滋賀県の場合近隣に同業者が少ないので、そういう目がないのが実に良い。
新しいことへの種まきが、やりづらさを感じずにできます。
「早く行きたければ一人で遠くへ行け。遠くに行きたければみんなで行け。」という言葉があります。
確かにチームを作って努力することはとても大事です。
その一方で、方向性の模索段階では案外一人の方が良い気がします。
柔軟に動けますし。
何が言いたいかというと
結局他人は責任を取ってくれないので、自分で考えて決めていかないとダメってことですね。
仕事も人生も。