
梨のシーズンが到来しました。
ありがたいことに、この時期になると梨の生産に携わる知人が販売で余った梨を分けてくれます。
私の好きな果物の1つが梨なので、毎年楽しみにしています。
そんな彼が言っていたのが、「自分で売ること考えないと生産者はとても続かない」という話。
とても印象的だったし当園にも関わる話なので、今回はこの話題をまとめることにしました。
梨業界に根付く、古参農家の過去の慣例に基づいた悪しき支配
当園のある東近江市にはいくつか道の駅・直売所があります。
こういった施設は全国にもありますが、一般的に農業組合の影響力がかなり高いです。
ここではおかしなルールがあり、高く売ろうとすると組合からダメ出しが入るそうです。
パッケージを工夫したりして高く売ったら良いと素人目線では思うのですが、
そこではそういうダメなルールがあるのだとか。
このダメ出しをしてくるのが「年金をもらっている老齢農家さん」らしく、
販売所を立ち上げてきたこれまでの実績を盾にしてくるそうです。
もちろん立ち上げの実績があるから、現在それぞれの販売所で農産物の販売ができています。
それは十分理解していますが、そのせいで組合に加入した若手は意見が通らないのは問題です。
中には、勝手なことをした若手の農産物を古参の農家さんが
販売所の脇に勝手に移すような事態も起きているそうです。ひどい。
そのせいか、梨の組合は若手がどんどん離脱してしまっているのだとか。
今回梨を持ってきてくれた知人が嘆いていました。
「これでは10年後は誰も梨農家をやる人がいなくなる」と。
自分が作った農産物の販売を、自分で売る努力をすべき
農業界あるあるですが、自分が作った農産物の販売を市場などの他所に委託している農家は多いです。
「委託」と言えばなんか聞こえがいいですが、実際は「丸投げ」と言い換えても間違っていないでしょう。
某アニメに「生殺与奪の権を他人に握らせるな」というフレーズが出てきます。
まさにこれかなと。
多くの農家さんはこの権を他人に握らせている(美味しいところを持っていかれている)と思います。
もちろん作った農産物を全部自分で販売するのは難しい話です。
当園も卸売市場を利用しています。
ですから、何が何でもそうしろという言いたいわけではないです。
でも、「自分で売る」という意識は持っておかないといけないよねという話です。
前の記事にも書きましたが、自分で売る視点を持っているとお客様の元に届くところを想像できるようになります。
私達の親世代の農家は売ることを端から諦めている人、多いですよ。
自分で販売している生産者は上手く経営できているところが多い
また別の知人の話で、花業界ではこういう傾向があるらしいです。
自分で販売ルートを作ったり、卸売に特化するにしても担当者としっかり話し合ったりと、
自分で作った農産物を「自分で売る」努力を何かしらしているところは経営が上手く行っているところが多いそうです。
今後こういう視点がより大事になる気がしますね。